アニメ・原作の違いは?「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」ネタバレ徹底考察

アニメが放送され、ますます話題になっているはめふら。そんなはめふらには、アニメ・原作で違いが存在することを知っているでしょうか。

アニメは原作に比べて、細かな表現が割愛・変更されています。

原作を知っている身としては、何でここを変えたの?と感じる部分もあるね

片男波

そこでアニメのはめふらを楽しんでいる人向けに、原作との違いを説明。

玉ノ井
玉ノ井

はめふらを詳しく知るための情報を紹介していくね

原作版とアニメ版の違い

1.各キャラクターの紹介があっさりしている

原作では各キャラクターがカタリナと出会ったエピソードの後に、すぐ心情を語るシーンが差し込まれます。

対してアニメでは、どんどん物語が進んでいくため各キャラクターの気持ちがすこし分かりにくい

高田川

「どうして彼はカタリナを好きになったの?」と感じた人も、少なくないでしょう。

玉ノ井
玉ノ井

アニメも原作と同じように、キャラクターの気持ちがすぐに分かる構成になっていたら楽しみ方が違っていただろうと感じるね

2.キースの母親の立場が変更されている

アニメでキースの母親は「愛人」として紹介されています。しかし原作では「娼婦」とされ、「決まった相手ではなく、気まぐれに手を出した相手では?」と感じさせる表現になっているのです。

おそらくNGワードとして、表現に規制がかかったのでしょう

片男波

アニメのはめふらは明るさを前面に出している作品なので、暗い印象を軽減したかったとも考えられます。

3.カタリナの母「ミリディアナ」と父「ルイジ」の離婚危機

キースがクラエス家に引き取られた際に、カタリナの両親の離婚問題が勃発します。しかしアニメではさらっと紹介されただけ。

もったいない……

片男波

まず前提として、カタリナの母ミリディアナはキースを夫が不倫してできた子だと誤解しています。理由は以下の3つ。

  1. カタリナの父ルイジとキースの瞳が同じ青色
  2. 若いころのルイジがモテモテで、外に女性がいてもおかしくない状況だった
  3. ミリディアナの父親がルイジの恩人だったため、恩義を返すために自分と結婚したと思っている

若いころのミリディアナはきつい顔立ちから、結婚相手が見つからずコンプレックスを抱えていました。

はめふらの世界は女性が25歳を過ぎるころには、行き遅れといわれてしまうほど結婚に対してシビア。ミリディアナは自信を失っていきます。

そんな中、パーティーに参加した際に出会ったのがルイジです。貴族社会で高い地位にあるクラエス家の跡取り・美しい容姿・社交的で頭もいい。

本物の王子であるジオルドの上をいっているイケメンぶりね

高田川

そんなルイジに惹かれるものの、自分では無理だとあきらめるミリディアナ……しかしルイジが父親に掛け合ったことで2人は結婚します。

「どうして私なんかと……?」

その疑問は社交界の女性たちによって判明します。

「ミリディアナの父親に恩義があるから、娘を引き取った」

ショックを受けるミリディアナでしたが、思わず納得します。

そして結婚してカタリナを出産した後も、自信が持てないまま時が流れていくのでした。

実はこれ、すべてミリディアナの誤解なんだ

片男波

ルイジは、初めてミリディアナと会ったときに一目ぼれ。ミリディアナの父親に直談判して、結婚を許可してもらったのです。

ルイジはミリディアナの許しを得ずに、強引に結婚を進めたことに罪悪感を抱いたまま時が過ぎていきます。

2人は両想いにもかかわらず、長年「相手に愛されていない」と感じながら生きてきたのです。

玉ノ井
玉ノ井

ミリディアナとルイジが早くに互いの気持ちに気づいていれば、ギスギスした家庭にはならなかったはず

人生は分からないものね

高田川

4.カタリナのおバカキャラ度がアップ!

アニメのカタリナは分かりやすい性格にするためか、とってもハイテンション。おバカキャラが強調されています。しかし原作のカタリナは、自分を客観視する力を持っています。

自分の欠点である、調子に乗りすぎる性格をきちんと自覚している

片男波

確かにカタリナはおバカキャラですが、メイドのアンの婚期を気にするといった冷静な感性も持っています。

玉ノ井
玉ノ井

アニメではカタリナの冷静な部分が分かりにくくなっているため、カタリナをよく知りたい人は原作を読んでみるのをおすすめするよ

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5.あっちゃんのエピソードが後半で紹介されている

アニメでは後半になって発覚する、親友あっちゃんの人となり。しかし原作では、カタリナが魔法学園に入学するよりも前に語られます。

転生前のカタリナとあっちゃんの性格。ソフィアがあっちゃんの生まれ変わりである事実。

読者はソフィアの正体を知っている状態でカタリナとソフィアの交流を観察できたため、冷静に物語を読み進めることができました。

ソフィアの正体を感じ取れる流れは、アニメのほうが優秀だったと思う

片男波

玉ノ井
玉ノ井

重大な真実は、後半になってから分かったほうがインパクトを感じるよね

6.悪役ポジションの心情が分かりにくい

はめふらには、各キャラクターをいじめるポジションにいる人々が現れます。しかしアニメでは細かな表現が省略されているため、彼らの気持ちが分かりづらい……

原作から予想される、悪役の人々の気持ちを考えてみましょう。

機能不全に陥っているキースの元家族

原作では娼婦とされているキースの母親は、父親にキースを押し付けたと語られています。

玉ノ井
玉ノ井

つまり父親がキースを引き取ったのは、本意ではなかったということ

妻はキースの存在を憎々しく思っていたと考えられるけど、この世界における貴族の妻は立場が弱く夫に文句を言うのが難しい状況だからね

片男波

そんな中で、父親と妻はキースを無視する選択をしたのだと考えられます。兄弟たちにとっても、いきなり現れた弟(しかも娼婦の子供)と仲良くするのは難しかったといえるでしょう。

キースが兄弟たちを魔法でけがさせたシーンがさらっと紹介されていましたが、実際は骨を折るほどの重症です。元家族からしてみれば、キースはどう扱ったらいいのか分からない脅威。

浮気をした父親が悪いですが、元家族の状況を考えるとキースに対して悪い感情を持ってしまうのも分からなくはないわね

高田川

初めての挫折を味わったマリアの母親

アニメに出てくるマリアの母親は、原作と比べて詳しい設定が明かされていないため心情が分かりにくくなっています。

マリアの母親は町一番の美人で、周りから可愛がられ生きてきました。彼女は、町で1番女性たちから好かれていた男性と結婚。

マリアも生まれ、大きな挫折を知らずに幸せな人生を手にします。しかしマリアが魔法の力に目覚めたことで、人生は一変。周囲は不倫を疑い、夫も家に帰ってこなくなるのです。

マリアの母親が苦しんだ原因は、「家族の在り方が変わった」からだけではないと考えられます。

  • ずっと完ぺきだった自分の人生が、崩れたことに対する衝撃と挫折感
  • 幼いころから可愛がられ身についてきた自信が、娘によって貶められた

マリアの母親の設定がきちんと明かされないと、家族への依存心が強いだけの女性として印象付けられてしまいます。

玉ノ井
玉ノ井

アニメでもマリアの母親について、もっと掘り下げてほしいね

「はめふら」は大人でも楽しめる人間物語

はめふらは各キャラクターの年齢が若いため、一見子供向けの作品と思われがちです。

しかし実際には社会の事情が盛り込まれた、大人でも楽しめる作品。

片男波

アニメ・原作ではそれぞれに異なる表現がされているため、両方を見比べることでより深くはめふらの世界に浸れるわ

高田川

玉ノ井
玉ノ井

アニメではめふらに興味が出てきた人は、ぜひ原作も読んでみてね