
2019年12月オーストリアのウィーンへ一人旅してきました。
同時に行ったハンガリーとチェコとの比較をしながら、ウィーンのおすすめポイントを紹介するわ。
オーストリアは街全体が華やか。音楽や芸術の文化を持ち、旅行者に対しても優しい印象を持ちました。今回はそんな美しいウィーンのいいところを余すことなく伝えたいと思います。
目次
都会的で治安がいい!

ウィーンはプラハやブダペストと比べ、華やかで都会的でした。それは歴史的に少し前まで社会主義国家だった国との違いなのかもしれません。
治安も良く、女性の一人旅でも比較的安心に感じました。

例えばプラハやブダペストはトイレを利用する際の集金をマンパワーで行っていましたが、ウィーンは機械。駅構内がIT・システム化されていて、比較的日本に近い印象がありましたね。

ウィーン関係なく余談だけど、トイレの集金を働き盛りの方がやっていると気になっちゃう。共産主義の名残なのかしら。

お給料いくらなのかな・・

楽な仕事に反応した

終わってますね

ひどい!
食文化のレベルが高い!
ヨーロッパの食事は日本人には合わないと言われることが多いですね。

肉や芋が多いし、味付け重いし、さっぱりとしたものがない。一つ一つは悪くないけれどずっと食べ続けるとやはり疲れる・・。
しかし、ウィーンはすこし違った!
長く君臨したハプスブルク帝国で洗練され、周辺民族の食文化が融合して発展したウィーン料理。そのどれもがレベルが高く、おいしかった!
その中でも特におすすめできる2店舗を紹介したいと思います。
PLACUTTA プラフッタ

PLSCHUTTAはウィーンの名物郷土料理「ターフェルシュビッツ」でとても有名なお店です。

著名人や政府の要人もよく食事に来るようですよ。
私が入店したのはランチ時を少し過ぎた午後2時半頃だったのですがそれでもお客さんいっぱいでした。ピークタイムは予約した方がよさそうです。

上品そうなお客さんやビジネスマンたちでいっぱいの店内。グリーンで配色されたインテリアがシックでかっこいい。

こちらがウィーンの鍋料理「 Tafelspitz ターフェルシュビッツ」( 牛の煮込み料理・24.9ユーロ)。 ウィーン三大料理の一つで、ハプスブルク家の皇帝フランツ・ヨーゼフの好物でもあったとか。

おたまが何個もあるけど、いったいどう使うのかしら・・・。

食べ方の説明が書かれたリーフレットを頂けました。
それによると、パンは牛の骨髄を広げて塩コショウで味付けして食べる。鍋は肉を取って、リンゴと西洋わさびが入ったソース、ポテト、お野菜と一緒に付け合わせで食べるとのこと。

それでもざっくりしてて、細かい手順がわからなかった。

言葉が話せず、聞けなかったのね

日本の鍋だと汁と一緒に具材を食しますよね。しかし周りを見渡してもその様子やスープを入れる器は見当たりません。

後から調べたら鍋に入った汁は先にスープとして味わうようでした。先に肉食べちゃった・・。
食べ方は多少間違えていたようだったけど、とてもおいしかった。お肉と野菜の出汁がよく出たスープは落ち着いた味でほっこり。ポテトもカリカリでおいしかった。上品なお味で、最後まで飽きずに楽しめました。
食事の手順もユニークですし、ウィーンに旅行した際はぜひ寄っていただきたいお薦めレストランです。
住所:Wollzeile 38, 1010 Wien, Austria
電話:01-512-1577
時間:11:30~23:15(CLOSE24:00)
休み:無休
最寄り駅: U3 Stubentor シュトゥーベントーア、すぐ
URL:https://www.plachutta-wollzeile.at/

PLACUTTAさん、日本にもぜひ出店してくださいな。
LUGECK ルーゲック
ターフェルシュビッツと同じくウィーン三大料理と呼ばれる「Schnitzel シュニッツェル 」。ウィーン版のカツレツとのことで興味津々!ぜひ食べてみようとお店を探しました。

最も有名なお店が「フィグルミュラー」というお店ですが、予約なしでは入れなかった・・。

無計画に進めるとこうなります
しかし、調べているとそのフィグルミュラーが作った別の店が近くにあり、「シュニッツェル」もあるとの情報をGET!これは向かうしかありません。

それがこちら「LUGECK」というお店です。

カフェのようなスタイリッシュな店内。 オープンが遅く開店と同時に入店できました。おひとり様でも入りやすいお店で、店員さんも優しかったよ。

「Viennese soup pot」 4.5ユーロ
まずは前菜としてスープをいただきました。柔らかいパスタのようなものが入っていました。

コクがあっておいしかった~。味は全く違うけどお味噌汁のような安心感ね。

「Wiener Schnizel」 20.90ユーロ
こちらかウィーン版カツレツこと「ウィンナーシュニッツェル」。見た目かなりのボリュームで驚いたけど、おいしかったのでペロリといけました。
添えてあったのはレモンとなんとブルーペリー! このソースは好みが分かれるかもしれないけど、箸休め的な感じで悪くなかった。
甘い味付けのウィーン版ポテトサラダもついてきたけれど、もうお腹いっぱいで完食できませんでした。

ウィーン人にとってはこれがサラダなのかな?甘くてとてもおいしかったけど重かった・・

日本人にはやはり千切りキャベツが一番かな。
フィグルミューラーが混雑している際は同じグループ店のルゲックがおすすめですよ。ウイーン三大料理を制覇しよう。
住所: Lugeck 4, 1010 Wien, Austria
電話:01-512-5060
時間:11:30~24:00
休み:無休
最寄り駅:U1/U3 Stephansplatz シュテファンスプラッツ駅、すぐ
営業時間:11:30-24:00
URL: http://www.lugeck.com/
カフェの居心地がいい!
ウィーンは音楽だけの街ではありません。カフェ抜きには街を語れないと呼ばれるくらいウィーンにはカフェ文化が根付いています。
1658年にウィーン初のカフェが開店し、19世紀後半から20世紀初頭にかけてカフェ文化が発展しました。それからずっとその文化が守られているのですね。

ということでウィーンを代表とする老舗カフェ「ハヴェルカ」さんに行ってまいりました。グラーベンという有名な大通りの脇道にひっそりと構えられていました。

ここは第二次世界大戦前の1936年から創業した歴史あるカフェ。フランツ・カフカも訪れるなど、昔からウィーンの芸術家や学生のたまり場だったそうです。

家族経営で現在は3代目。その店主のこだわりで創業から改装を一切していないそうです。

壁やポスターが年季入ってるし、まるで時が止まってるかのようね・・。

人の時も止められたらいいのにね

実に残酷だわ・・・

ウィーン名物の Sachertorte(ザッハトルテ)と一緒にコーヒーを頂きました。
カフェ文化が盛り上がった19世紀末、多くの芸術家や作家はカフェを自宅代わりの作業場に使い、アイデアを練ったり、議論を交わしたそうです。そんな歴史を重ねてきたカフェと街だから、居心地の良さはどの国よりもあるかもしれませんね。

かつての芸術家のようにカフェでゆっくり過ごすのもよさそうねえ。

そんなこと言って、旅程を詰め過ぎる人

あれもこれも行きたくなっちゃうのよぉ
住所:Dorotheergasse 6, 1010 Wien, Austria
電話:01-512-8230
営業:月~水8:00-24:00、木~土8:00-25:00、日・祝10:00-24:00
休み:無休
最寄駅:U1/U3 Stephansplatz シュテファンスプラッツ駅 徒歩3分
URL: http://www.hawelka.at/cafe/de/
旧市街の街歩きが楽しい!
ウィーンの街歩きは楽しい。歴史ある建物と新しいお店がうまく融合しています。適当に散歩するだけでも、目に映る全てが新鮮で楽しかった。その中で見つけた観光スポットをいくつか紹介します。
シュテファン大聖堂

ウィーンのシンボルと呼ばれるシュテファン大聖堂。800年以上の歴史を持ちます。12世紀にロマネスク様式として創建された後、14世紀に現在のゴシック建築の大教会となったそうです。

シュテファン大聖堂の中。とても広いです。 長さ107m、幅34mとのこと。

シュテファン大聖堂の屋上には展望台があります。ウィーンの街を一望できますよ。

ただ、とても小さなエレベーターを使うので進みが遅かった。けっこう時間がかかるのでご注意ください。
クリスマスマーケット
私が訪れたのは12月だったため、大聖堂の周辺はクリスマスマーケットが並んでとても華やかでした。撮影が下手で申し訳ないですが、その時の空気感が伝わればと動画を撮ったのでもしご興味あればご覧ください。
このあたりからケルントナー通りはとても賑やか。お店が多くお散歩が楽しいです。

モーツァルトゆかりの地域であり、一時期を過ごした住居(現在はモーツァルトハウスというミュージアム)と、葬儀が行われたという磔刑礼拝堂があります。
シェーンラテルンガッセ Schönlaterngasse

こちらは道沿いにランタンがともされる美しい小路です。有名なバジリスク伝説やシューマンも住んでいた住居があります。
フライシュマルクト
Fleischmarkt

13世紀に肉市場だった通りです。ギリシャ商人が住んでいたことから、ギリシャにちなんだ建物や名前が残っています。

シュテファン大聖堂からシェーンラテルン小路周辺はウィーン発祥の地とも呼ばれていて、中世の面影が最も残る場所です。

かわいい配色ですね。

歴史ある建造物やモダンな建物。散策しているといろいろ発見できて楽しかったわ。
グラーベン コールマルクト
ブランド店が並び、とても人通りの多い通りです。
グラーベンとはドイツ語で地溝という意味。ローマ時代に外堀だった場所を埋め立てて今の大通りになりました。

このりっぱな建造物はペスト終焉を記念して1693年に建てられたペスト記念柱です。
街中に2つも世界遺産がある!
ウィーン市内には2つの世界遺産があります。いずれも必見のスポットですのでそれぞれ紹介しますね。
世界遺産 シェーンブルン宮殿と庭園群

マリア・テレジアが愛したシェーンブルン宮殿とその広大な庭園、世界遺産「シェーンブルン宮殿と庭園群」です。観光客が多く行列になるので、宮殿内部の見学は事前予約がおすすめです。下記ホームページ(英語)から予約できます。

宮殿の奥には街まで一望できるグロリエッテという建物があります。マリア・テレジアが命じて1775年に完成した見晴らし台です。現在は内部がカフェになっていました。


贅沢な眺めね。マリア・テレジアもこんな感じに街を眺めていたのでしょうか。
世界遺産 ウィーン歴史地区
もう一つの世界遺産「ウィーン歴史地区」はリンク内側の周囲を指しており、街の観光スポットはそのリンクと周辺に集中しています。
Ring(リンク)とはウィーンの中心部の約4キロにわたる環状道路のことです。かつては旧市街を囲んだ城壁がありました。

現在はそのリンクを路面電車「ウィーン・リンクトラム」が走っています。

トラムは賑やかな風景を見ながら移動できるので楽しい!初日は街の雰囲気を掴もうと終点まで乗っちゃいました。

トラム乗車中に発見したサンタの集団。何やってるかよくわからなかったけど楽しそう笑
ハプスブルク家の暮らしがわかる旧王宮
ハプスブルク家の歴代当主が暮らしていた旧王宮。フランツ・ヨーゼフ皇帝と皇妃エリザベートが暮らしていた当時のままに保存されているそうです。王宮のほかに馬術学校、図書館、博物館があり、それぞれ観光できます。

王宮の入口です。かっこいい。
その前のミヒャエラ―広場にはクリスマスマーケットが広がっていました。
国立図書館

王宮の敷地内にある国立図書館です。18世紀に建てられた宮廷の書庫を、帝国解体後に一般公開されたようです。


なんだか魔法学校のようね。
音楽を楽しむ様々なコンテンツがある!
音楽家たちのゆかりの地を巡る

シュテファン大聖堂の近くには、1784~87年までモーツァルトが住居とした建物「モーツァルトハウス」があります。彼はここで有名なフィガロの結婚を作曲しました。
モーツァルトハウスはミュージアムになっていて、日本語のオーディオで彼の生涯や時代背景を聞くことができます。

浪費と借金を繰り返していたみたい。意外にもお金にだらしなかったのね・・。

チラッ

なぜこっちを見たぁぁ!?
この他にもウィーンにはベートーヴェンやシューベルトの住居など、音楽家たちゆかりの地がたくさんあります。それらを巡る旅行も楽しいでしょうね。
オペラ ウィーン国立歌劇場
ウィーンといったら音楽。オペラやコンサートは外せませんね。

オペラの殿堂といわれる「ウィーン国立歌劇場」です。1869年建築。

劇場内は自由に見学できます。みな思い思いに写真撮影されていました。

至る所が博物館のようなりっぱな装飾です。多くの方が憧れる場であることが頷けますね。
私は2階席の左側最前列の席でした。会場内を映しただけの動画ですがご興味あればご覧ください。

もうすぐ始まる期待感でワクワクした雰囲気。また行ってみたいな。
オペレッタ フォルクスオーパー
オペラは歌と伴奏を使った演劇、そのオペラから派生した手軽な小歌劇がオペレッタです。オペラよりも娯楽的な要素を高めた作品が多いようですね。こちらも観に行ってきましたよ。

オペレッタをよく公演されているウィーンの「フォルクスオーパー」という劇場です。国立歌劇場と比べると小さくてかわいい建物。

建物の壁には現在公演されている作品のポスターが貼っていました。興味を掻き立てるような楽しそうな作品ポスターが多くないですか?
私は左から三番目のオッフェンバックの作品「ニンジンの王」を見てきました。

なんだか面白そうじゃない

実は字幕すらドイツ語だけだったのでストーリーはよくわからなかった・・。衣装や動きだけでもある程度は楽しめたけど。

他の会場や作品によっては舞台上部に英語字幕が流れるんだけどね。

劇場内の様子です。国立歌劇場と比べると落ち着いた感じ。私は1階真横の最前列にある席を購入しました。小部屋になっていて周囲の席の方を気にせずゆったり座れるところがよかったです。
オペラ&オペレッタ公演前後のお楽しみ
中欧三都市でオペラやオペレッタを観賞してきましたが、日本にはない文化を感じたのが公演前後の時間です。

写真のように待機室でみなさんお酒&ドリンクやケーキを飲食しながら楽しく談笑していました。演劇を楽しむだけでなく、おしゃれして家族や仲間たちとおしゃべりするところまでがセットなのでしょうね。

終わった後もみなさん余韻に浸りながらおしゃべり。まるで演劇はおまけにも感じるくらい、長い間話していました。

なにしてたの?

さっさと帰りました・・。おひとり様にはつらい
おまけ・宿泊したホテルについて
こちらは特におすすめというわけではないのですが、私がウイーンで滞在したホテルについても紹介します。
ウィーンのホテルはプラハやブダペストと比べるとお高めでして、同価格帯で選んだらアクセス、設備、お部屋のレベルが一段くらい落ちてしまいました。ただ、その中でもインテリアは工夫があってかわいく、見どころがあったんです。

宿泊したホテルは「Arthotel ANA Enzian」。ウィーン中心部近郊にあるRennweg(レンヴェーク)駅から3分くらいの場所にあります。日本人のツアー、団体さんが多かったですね。

エントランスの様子。かわいいですね。

スタッフさんの衣装もかわいかった。ディアンドルっていうオーストリアの民族衣装です。

それから朝食はブッフェでしたが、ヨーグルトがどれも小瓶に入っててかわいかった。数種類あって選べます。

同じヨーグルトでも単に皿で取るよりずっと楽しくていいですね。センスを感じたわ。

お部屋もかわいい雰囲気。カーテンと窓が日本では見られない形ですね。

しかし、シャワースペースが狭かった・・。部屋もこじんまりしていて、設備やアメニティも少しチープ感がありました。

清潔感はありますし、寝るだけなら十分なんですけどね。
設備は劣りながらもインテリアや衣装・小物などでなんとか工夫していこうという姿勢がビジネスの参考にもなるかと思ったのでご紹介しました。
終わりに
さて、ウィーンのおすすめスポットを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?少しでもウィーンの魅力を感じて頂けたならうれしいです。

最後におすすめしたいのは、ウィーンの人々はとても素敵な方々!という点です。
トラムは路線がたくさんあって難しく、私は滞在中できるだけ鉄道を使っていました。
ただどうしてもトラムを使った方が便利だった場所があったので路線図とにらめっこしていたのですが、乗り換えがわからず悩んでいた時に近くにいたウィーンの若い娘さんが教えてくれたんです。

観光の話なども話ができたのですがとても女の子でした~!
その他にもシュテファン大聖堂の近くで「May I help you?」と声をかけてくれた老夫妻もいらっしゃいました。
短い滞在の中でも複数あって、ウィーンの人々は暖かいなあ~と感じました。(プラハやハンガリーでは一度もそういう機会がなかった。)
ということで、ウィーンは旅行前よりも好きになった街でした。ぜひみなさんも欧州の一人旅をするならウィーンを検討してみてくださいね!