この記事ではVoxEditで建物を作成する際のサイズ基準やおすすめの作成方法をご案内します。
VoxEditで家を作ると、The Sandboxのオリジナルゲーム制作やNFTなどに活用できます。ボクセルアートは楽しいですよ。ぜひ参考にしてみてください。
The Sandboxアセットサイズ

The Sandboxでは、ブロックサイズは1メートル=32ボクセルのスケールを使用しています。
1ブロック=1m×1m=32ボクセル
Sandboxのゲーム制作ソフトGame makerにはスケールを変えるツールがありません。そのため、アセットの寸法は作成する目的に応じて事前にきちんと決めておく必要があります。
尚、公式ではアセットを512ボクセル以内に制限することが推奨されています。
それ以上のスケールを使用することもできますが、公式アセットとの一貫性を設けた方がいいですし、NFTの販売や他のユーザーさんが利用することを考えるとこの基準に合わせることをお勧めします。
建築物サイズの基本

The Sandboxが推奨する標準的な建物のサイズは、8×8ブロック(256×256ボクセル)です。
建物の各階は、アバターが問題なく移動できるように、4ブロック(128ボクセル,4m)の高さが標準となります。
デザインによっては変更することもあるかと思いますが、例えば中型ヒューマンの平均身長は2mのため、最低3m(3ブロック、96ボクセル)はあった方がよさそうです。

タワーのような3階以上の建物サイズの目安は、最大16ブロック(512ボクセル)です。
これは前述の通り、The Sandboxが推奨するサイズが最大512ボクセルであるためです。
またフロア毎の高さは4ブロックが標準の為、3階以上であれば最低12ブロック(384ボクセル)となります。

The Sandbox内の1メートルの高さが32ボクセルであることから、組み合わせた際にそれぞれがフィットするためには32倍の寸法で作ることが基本となります。
もちろん自分の好きな高さで作っても構わないのですが、他のアセットとの整合性を取る上で標準サイズはきちんと把握しておきましょう。
各パーツの名前に「高さ4」「高さ5」「高さ6」など寸法を追加して、高さ(ブロック単位)が分かるようにするとわかりやすくなります。
VoxEdit 家の作り方
家を建てるには2つの方法があります。
1つはメインの建物をすべて1つのモデルとして作る方法ですが、当たり判定の問題などで使い勝手が悪くなることが多いです。
そのため、公式でも基本的に平面のモデルを組み合わせるもう1つの方法を勧めています。
私もはじめ1つのモデルとして家を作りましたが、家の中にアバターを歩かせることができない失敗を経験しました。平面を組み合わせることでこの問題を回避することが可能です。
そこで今回は平面を組み合わせて作る家の作り方をご紹介します。
公式のやり方を参考にしながら、わからない点は自分なりに工夫して進めた制作方法です。そのため、他にもっと良い方法があるかもしれません。もしあったらコメント欄などで教えてください!
建築動画
尚、本記事でご案内する家の建築は、YouTubeでタイムラプス動画も掲載してあります。合わせてご覧ください。
STEP1 デザイン、サイズ計画
まずは作りたいデザインとサイズを考えます。
今回は平屋建ての小さなおうち。サイズは前述のサイズ基準を参考に幅8ブロック×奥行6ブロック(256×192ボクセル)にしてみました。
高さは屋根を作るため、1階の4ブロックにプラス5ブロック分程度をイメージします。
STEP2 ノード(骨格)の作成

アセットを作りながらでもいいですが、初めにノード(骨格)を整理しておくとその後の作業が進めやすくなります。
まず最初に全体を管理する一番上部のノード「control node」を作ります。
(ノードの名前はご自身がわかりやすい好きな名称にしてください)
コントロールノードがあると、そこから派生する全てのリグをまとめて動かすことができます。
次に各フロア毎の管理ノードを作成します。1個1個を動かさなくてもいいように、各フロア毎にもノードを作ると便利です。
今回は平屋建てなので、1階部分の「ground floor node」と屋根の「Roof node」の2つを作りました。
それらのノードの下に各部位を配置していきます。
STEP3 家の正面デザインを平面で作る

まずは家の顔である正面デザインの制作です。
実は正面はアバターが家に入室できるようにする関係で後のSTEPで少し修正することになるのですが、全体デザインの為に一旦見た目を作ります。
平面なので奥行サイズは1~2ボクセルで大丈夫です。今回の高さは128ボクセル(アバターが通りやすい目安である4ブロック=32の倍数の数字)にしました。
玄関は後にドアを組み合わせるため、そのサイズ分の約4×3ブロック(126×96)分の穴を開けてあります。
幅2ボックス高さ3ボックスが標準的なドアのサイズです。今回はテンプレートにあった両開きのドアにサイズに合わせるため4×3ブロックにしました。
中型アバターは2m(64ボクセル)の高さなので、平均して80から96ボクセルの高さがドアの高さとして必要だと言えるでしょう。
STEP4 正面デザインをコピーして、裏面を作る

正面デザインをコピーして裏側の平面を作ります。裏面に必要ないドア部分の穴は壁と同じ色のボクセルで埋めます。
窓の位置など変更したいデザインに合わせて調整します。サイズは正面と同じく、幅256×高さ128×奥行2にしました。
STEP5 裏面デザインをコピーして、右・左2つの側面を作る

側面はデザインが近い裏側の平面をコピーして作成します。
側面はSTEP1で計画した全体のサイズに合わせて、幅のサイズは188ボクセルとしました。(188×128×2)
計画の奥行き6ブロックは192ボクセルですが、正面と裏側の奥行が2ボクセルずつあるため、その分を含めて192に収めなくてはいけません。そのため、側面のサイズの幅は4ボクセルを引いた「188」になります。
STEP4と同様に、裏側と側面で異なるデザイン部分を修正します。(窓を若干移動しました)
※コピーの後にサイズを変更した際は、意図した位置に設置できるようピボットツールを修正しておくことを忘れないようにしましょう。
STEP6 正面デザインを分割



STEP3で一度作った正面デザインを写真のように左、正面上部、右の3つのアセットに分割して保存します。
私も後から気づいたのですが、ドアを入れるために開けた穴(何も入れてない空白のボクセルスペース)があるとたとえドアを開いても、当たり判定があるために通ることができないのです。
公式の情報を見つけることができなかったのですが、写真のように分割して空白のスペースをなくしておくことで当たり判定のないスペースを設けることがいいと感じました。
(作り方のページとしては初めから分割して作成すればよかったのですが、裏や側面にコピーする必要もあるために残しました。わかりにくかったらごめんなさい。)
もっといい方法もあるかもしれないので、もし見つけたらまた別の記事でご紹介したいと思います。
STEP7 作成した平面を組み合わせる

STEP3~6で作成した4つの平面を組み合わせます。
この時にボクセルがずれていないか、サイズは正しく作れているかなど全体的にチェックします。
STEP8 床を作る

4つの平面の間にぴったり合うサイズの床を作成します。
計画した8×6ブロック(256×192ボクセル)にするには、床の周りにある正面・裏・側面の数字を除く必要があります。
それぞれ2ボクセルずつの奥行きにしたため、幅と奥行きそれぞれ4ボクセルを減らせばぴったり合うはずですね。
252×2×188のサイズで床を作りました。
STEP9 屋根を作る

床ができたら次は上部、屋根を作りましょう。
一般的なおうちのイメージである三角形の屋根を計画してみたのですが、ボクセルで三角形を作るのはけっこう大変でした。(こちらもいい方法あったらどなたか教えてください!)
今回は平面を2つ作って、左右から斜めに立て掛けるようにして中央で合わせることにしました。

色んなやり方があると思いますが、今回は60度に傾けました。
尚、キーボードのシフトを押したまま回転させると、0.5度ずつ移動させることができます。
微調整する際に使えそうなショートカットですね。

反対側からも60度にした平面を重ねます。中央できれいに重なるよう調整します。
STEP10 屋根下の側面を作る

屋根と外壁の間のスペースのことを「矢切」と言うようですが、その部分の平面を作ります。
四角形の集まりであるボクセルで三角形を作るのが難しい・・。ジャギーで汚らしい見た目ですが、見えない部分なのでこのまま進めました。

屋根の間にうまく挿入できました。ジャギーが表に出ないよう調整します。

複写して、裏側の矢切部分も同様に埋めます。
STEP11 装飾をする
これまでのSTEPで外側の箱が出来上がりました。後は装飾の追加とデザインの細かい調整だけです。

正面と屋根下の矢切部分の間に、境界的役割を持つ幕板と呼ばれる横長の板を設けました。
幕板の色味は外壁のいいアクセントになりますね。

屋根下の矢切部分が寂しく感じたので、窓も入れてみました。
装飾部分は色々工夫が図れてとても楽しい作業ですね。
尚、透明なボクセルを作ることはできません。
窓のガラス部分をデザインするには、ボクセルを削除して空白にするか、光のようなカラーにするか、どちらかの方法になります。
STEP12 ドアの作成

装飾を終えたら家部分は完成です。
最後に空白にしていたドア部分ですが、ドアを開く動きにアニメーションが必要な為、家部分のモデルと別に作成した方がよさそうです。
(アニメーションがなくてもGameMakerの設定で鍵をかけたり、特定のモーションによって入室できる仕組みを入れることは可能ですが、ドアが開閉しないまま出入りすることになるので不自然です。)
一から作ると時間がかかるため、今回はテンプレートにある「両開きドア」を使って、家部分の色と雰囲気に合わせたデザインに修正しました。
STEP13 Game Makerで最終確認

ボクセルアートが完成したら、Game Makerできちんと作成できているか確認してみます。
家のアセットとドアのアセットを組み合わせて、きちんとアバターが入室できるか、気づかなかったデザイン上のミスはないか、最終確認を行います。
問題なければこれで完成です!おつかれさまでした。
終わりに
The Sandboxのゲーム制作ツールGame Makerではオブジェクトのサイズを変更できません。
そのため、ブロックを組み合わせる必要がある建築物のようなアセットを作成する場合は、スケールの理解が非常に重要です。
上記の点に注意して家づくりにチャレンジしてみてください!
