3次元のピクセルアートと呼ばれるボクセルアート。
作りたいと思っても情報が少なく、どこから手を付けたらいいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事ではボクセルアート制作の進め方や作り方の注意点をご説明します。
もちろん実際の描画は自由ですし、この他にも色々な作成方法があります。
あくまで一例としてご参考にして頂ければと思います。
私もまだ勉強中ですので、もし異なる点や改善点あれば教えてください!一緒に上達していきましょう。
ボクセルアートの制作ツール
ボクセルアートは様々なソフトで制作できますが、本記事ではThe Sandboxが無料配布しているVoxEditを使っております。
VoxEditの使い方は別の記事で説明しておりますのでご参考にしてください。
尚、メジャーなのは「MagicaVoxel」という制作ソフトです。
こちらは有名なソフトのため、使い方の説明が掲載しているサイトはたくさんあります。ご興味あれば調べてみてください。
今回はボクセルアートの進め方や描画方法がテーマですので、ソフトの操作方法は割愛させて頂きます。
ボクセルアートの進め方と作り方
進め方や描画方法は人それぞれですが、ボクセルアートも一般のお絵描きやアートと大きく変わりはありません。
私は以下の流れで制作しています。
- アイデア出し、イメージづくり
- スケッチ、または参考画像の用意(割愛して③に着手することもあります)
- モデリング(ボクセルの設置と立体の形成)
- カラーリング
- 陰影づくり
- 仕上げ
下地を作って、削って、細かいところを足して、色づけする。ボクセルアートは陶芸や彫刻のような感じですね。
イメージづくり
自分の好きなものから始めましょう!
どんな創作でも、作りたいものを考えている時が一番楽しいですよね。
イメージ通りにいかないことが多いので悲しくなりますが笑
ただボクセルアートは絵心ない方でも、見栄えのよい作品を作ることができます。安心してチャレンジしてください。
スケッチor参考画像の用意
スムーズに制作できるよう、事前にスケッチや参考画像を用意するといいと思います。
時にはこのステップを割愛して着手することもありますが、後々になって修正するはめになることもあります。具体的なイメージを持って制作を始めることは大切です。
今回私がイメージしたのは、富山の伝統行事おわら風の盆で着用されている「編み傘」です。
写真で踊り手さんが頭にかぶっているものです。

モデリング(ボクセルの設置と立体の形成)
まず描きたい物の全体像を作ります。
写真を参考に、同じような形状になるようボクセルを並べてみました。

この段階では詳細は追わず、一旦全体を作った後にバランスを見ながら削ったり、追加していく方がいいと思います。
カラーリング
次に同じデザインになるよう、仮置きで色をのせます。

後に色を入れる方が効率面ではいいかもしれませんが、サイズのイメージを捉えやすいと感じるので私はこの段階で一旦入れています。それぞれのやり方で進めて頂いて構いません。
線とカーブの注意点
ボクセルを置いていくと滑らかなデザインに感じないことがあります。
この多くはジャギーと呼ばれる現象が原因であることが多いです。
ジャギーとはノイズの一種とされますが、一つ上の画像のように線や曲線がギザギザになってしまっている状態です。
ジャギーを解消し、少し滑らかになるようカーブ部分を修正した絵がこちらです。

すこし滑らかなカーブになったと感じませんでしょうか?
滑らかになるための法則が存在します。
ジャギーの修正方法
ジャギーの対策は、ボクセルの列をより大きなボクセル列で囲まないことです。


Aの画像ではボクセル列が左から3→2→3→1→2→1→4→2→6・・・といったように数字が小さくなった後にまた大きくなっているため、できあがった形も歪んでいるように見えます。
Bの画像では左から3→3→2→1→1→2→3→3→6・・・といったように大きな列で囲まず、順に少しずつ数を増やしているためバランスのいい曲線になります。
この法則を守って全体を形成するといいボクセルの並びになります。
ぜひこの点に注意してみてください。
アンチエイリアス
アンチエイリアスとは、曲線や斜面を描画する際にジャギーを目立たなくする手法です。
ボクセルアートでは角に小さく色を変えることで、エッジ部分を滑らかにすることができます。

上の画像ではこげ茶色の曲線エッジ部分の色を変えてあります。
通常は、暗い部分と明るい部分が混ざり合う場所に配置すると滑らかになります。
アンチエイリアスは曲線に対して重要な手法ですが、適用するかしないかはケースバイケースです。
やり過ぎるとオブジェクトをぼかしてしまい、何が描かれているか伝わりにくくなるためです。
縮小してチェックするなどバランスを見ながら少しずつ適用していくといいですね。
陰影の描画
次にオブジェクトに陰影をつけて立体的にしますが、ピクセルアートと異なりボクセルアートは3Dです。
一つのデータであらゆる視点を利用するため、ピクセル程には陰影は必要ないと感じます。

上の画像はピクセルアートのように陰影を付けましたが、左上から光が入っている時の陰影です。3Dのために反対方向の視点で利用することはもちろんあります。そのため、不要な陰影表現をしてしまっている状態です。
ボクセルアートはあまり陰影つけずシンプルに、どの角度からも影になっている部分のみ入れるべきでしょう。
仕上げ
VoxEditではデザインしているオブジェクトの下に紐づいたデータが半透明に表示されます。
これを見ながら位置が正しいか、最終の調整を行います。

完成しました!

終わりに
今回はボクセルアート初心者さん向けに、ボクセルデータの進め方をご説明しました。
今回ご案内したのは初歩の内容の為、より細かい説明は別の記事で行いたいと考えております。

ちなみにこのボクセルデータを使って制作したムービーです。
アニメーションが簡単に追加できるため、ボクセルアートは本当に面白いです。
ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。
参考文献:Pixel Logic – A Guide to Pixel Art