大人気作品「鬼滅の刃」に登場する冨岡義勇。表情が乏しく無口なため、「何を考えているか分からない」そんな感想を抱く人も少なくないと思います。
片男波
彼を知っていけば、より深く鬼滅の刃の世界観を知ることができます。

多くの経験をしてきた冨岡義勇の生い立ちや性格を、詳しく知っていきましょう
記事の中に多少ネタバレがありますので、気になる方は作品を読んだ後にご覧ください。
冨岡義勇の生い立ち
冨岡義勇を語るには、まず彼の生い立ちを説明する必要があります。義勇は両親が病死した後、姉と一緒に暮らしていました。姉の結婚が決まり幸せの中にいましたが、祝言の前日に鬼が襲撃。
姉は義勇を隠し、鬼によって殺されてしまいます。義勇は周りに対して鬼に襲撃された事実を告げますが、誰も信じてくれない……
精神の病にかかったと思われた義勇は、親戚の知り合いの医師の元に連れていかれそうになります。しかし何とか脱出!山の中で死にかけていたところを、猟師に助けられるのでした。

その漁師の知り合いが、義勇と炭治郎の育手(師匠)である鱗滝左近次だよ
義勇は鱗滝に師事し、兄弟弟子と共に水の呼吸を学びます。
錆兎との出会い
鱗滝に弟子入りした義勇は、そこで兄弟弟子である錆兎と出会います。
義勇と錆兎は親友になり、共に修練に励むのでした。姉の蔦子を失ったばかりの義勇にとって、正義感が強く優しい錆兎の存在は救いになったと考えられます。
最終戦別で錆兎が死亡
義勇と錆兎は鬼殺隊に入隊するための試験「最終戦別」に挑戦します。最終選別に挑む義勇でしたが、鬼によって負傷。錆兎に助けられ難を逃れつつも、実質的に戦線を離脱します。
片男波
そんな中、錆兎が鱗滝に恨みを抱く手鬼によって殺害。錆兎以外の全員が、最終戦別に受かります。
錆兎の活躍によって多くの敵が倒され、義勇を含む候補者たちの命が救われました。しかし鬼との戦いによって疲弊した錆兎は、手鬼に勝つことができず若い命を散らします。
冨岡義勇の性格と葛藤
鱗滝の元で修行をしていた当時は、笑顔を見せていた義勇。21歳になった現在は一転、無表情で何を考えているか分からない大人になってしまいました。
義勇は周りと馴染めていない様子。特に蛇柱の伊黒・風柱の不死川からは強く嫌われています。
- 問いかけられても無言
- 柱のメンバーによる大切な話し合いで、勝手に場を離れようとする止められると「俺はお前たちとは違う」発言。
ほかの柱を見下しているともとれる発言です。これでは、鬼殺隊の中でぼっちになっていくのも無理はないといえます。

義勇が柱に対してこのような態度を取ってしまうのは、「自分は戦わずに最終選別で生き残った卑怯者」との思いがあるからだろうね
錆兎を失ったトラウマが原因で、周りと仲良くする行動を取りづらかったとも考えられます。鬼殺隊員は強い力を持った鬼たちと、戦う役割を持っています。つまりいつだれが死んでもおかしくない状況。
柱も例外ではありません。誰かと強くつながれば、それだけ別れもつらくなる……そんな義勇の気持ちが垣間見えます。
富岡義勇はなぜ炭治郎と禰豆子を助けた?
大切な人を2人も鬼によって奪われた義勇。表情が乏しいだけで、その裏には鬼に対する強い憎しみがあったと考えられます。では、なぜ鬼になった炭治郎の妹「禰豆子」を殺さなかったのか?

もちろん炭治郎・禰豆子に見込みがあると感じたからですが、同時に炭治郎の中に昔の自分を見たのではないでしょうか
義勇は自分をかばって死んだ姉に対して、申し訳ない気持ちを抱えている人物です。
そんな中、出会ったのが炭治郎と禰豆子です。炭治郎は幼い頃の自分と同様、家族を鬼によって殺されています。そして唯一生き残った禰豆子を必死で守ろうとしていました。
肉親を大切に思う姿は、幼い頃の義勇と似た部分を感じさせます。
高田川
「作戦を考えて、自分に立ち向かってきた炭治郎」
「鬼になった状態で、炭治郎を守ろうとした禰豆子」
義勇にとって2人は、新しい可能性を持った光を感じさせる存在だったのでしょう。
冨岡義勇と炭治郎の関係性
鬼滅の刃の癒しになるのが、炭治郎と仲間たちによるギャグシーンです。特に面白いのが、義勇と炭治郎の関係性。炭治郎は、ぐいぐい相手との距離を縮めていくタイプです。
対して義勇は炭治郎に対して、戸惑いを感じている印象があります。とりわけ柱稽古(鬼との戦いに備えるため、柱および元柱が隊員たちに稽古をつける)の回は爆笑ものです。
※原作のネタバレがあるので注意!
お館様(鬼殺隊のトップ)に手紙をもらい、炭治郎は義勇宅を訪れます。義勇は炭治郎を無視。すると、炭治郎は返事を待たずに家の中へと入ってきます。
高田川
炭治郎は何度無視されても、義勇に手紙を送り続けた猛者。ちょっと無視されたくらいで落ち込む神経なら、これまでやってこられなかったはずです。
- 炭治郎「義勇に稽古を頼む炭治郎」
→義勇「あっさりと断る」 - 義勇「炭治郎に怒りを感じている」
→炭治郎「怒っている匂いがします」とはっきり指摘 - 義勇「炭治郎が水の呼吸を極める道を、あきらめたことに対して怒っていると発言」
→炭治郎「申し訳ないと謝りつつも、水の呼吸を極めなかった理由を冷静に説明」 - 義勇「帰れと炭治郎に命令する」
→炭治郎「昼夜を問わずに追いかけまわして、トイレの前にもついてくる」
やっている行動だけを見ると、炭治郎は完全に義勇のストーカーです。(いくらお館様に、義勇と話をしてやってくれと言われたからって……)
義勇は炭治郎のストーカー行為に疲れ果て、ついに根負け。炭治郎に稽古をつけない理由を話して、あきらめさせようとします。
義勇が炭治郎に稽古をつけない理由
最終選別で戦わずに生き残った自分には、柱としての資格がないと思っている。そんな自分が、炭治郎に稽古をつけるなんて考えられない。(過去のトラウマから、自己肯定感が大きく喪失している)
立ち去ろうとする義勇に対して、炭治郎が語り掛けます。「錆兎の意思を継ぐ気がないのか?」
その瞬間、錆兎に頬を叩かれ強く叱られた記憶がよみがえります。
「自分が死んだほうがよかったなんて、二度と言うな」
「姉が守った命をかけて守った命・未来を、おまえも繋いでいくんだ」
思い出した記憶と共に、自分には錆兎や姉の想いを繋いでいく責任があることに気づいた義勇。炭治郎に稽古をつけることを決意します。
その後、なぜかギャグモードに。

炭治郎の天然ボケが光る展開が気になる人は、ぜひ原作をチェックしてみてほしいです
富岡義勇を深く知ることで鬼滅の刃がもっと面白くなる
冨岡義勇は、炭治郎にとっての重要人物として描かれます。そもそも当初の時点で義勇が鬼化した禰豆子を殺していれば、そのまま物語が終わっていました。
炭治郎たちの前に現れたのが義勇でなければ、リスクを背負ってまで炭治郎・禰豆子を救おうとはしなかった……そう考えると、義勇は鬼滅の刃の最重要人物といっても過言ではありません。

そんな冨岡義勇の生い立ちや考えを知っていけば、鬼滅の刃の物語をもっと楽しむことができるよ
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